賃貸アパートでのエアコン使用の注意点とトラブル解決方法
寒い冬や暑い夏に欠かせないエアコン。
エアコンが突然故障すると混乱してしまう人も多いのではないでしょうか。
賃貸アパートでエアコンを使っているときには特に注意が必要です。
今回は賃貸アパートでエアコンを使用する際の注意点や、トラブルの対処方法をご紹介します。
目次
1:賃貸アパートでのエアコンに関するトラブルを避けるためのポイント
1.1:残置物と設備の違いを確認する
もし入居前にエアコンが設置されていたら前の住人が残していった残置物なのか、設備としてついているものなのか確認しておきましょう。残置物のエアコンは借主が修理費を負担しますが、エアコンを設備としている場合には、大家さんが負担します。エアコンが残置物なのか設備なのかの確認を後回しにしてしまうとトラブルになる可能性もあるため、入居前や壊れる前のタイミングで確認しておくことが重要です。
賃貸アパートの契約前に行う重要事項説明の際に、「設備に関する事項」をしっかり確認しておくことが重要です。
重要事項説明に関するコラムはこちらをご確認ください。
1.2:エアコン設置の可否確認
もし、エアコンの設置・増設をしたいとき、大家さんや管理会社に無断で取り付けることは原則禁止です。許可を取ってから設置しましょう。
エアコンの取り付け工事を行うためには、室内機を固定するために壁に穴を開ける工事が必要な場合があるため、事前に大家さんの許可をとらなければなりません。
特に、壁に配管用の穴を開ける必要がある場合は、開けてよい位置の確認をしっかり取ってから工事依頼をしましょう。
2:故障時のチェックポイント
2.1:リモコンの電池を確認
エアコンが全く動作をしない場合は、実はリモコンが故障している可能性があるため、まずは電池の交換やセンサー部分の掃除を試してみましょう。
リモコンの電池交換などを試してうまくいかない場合は、試しにエアコン本体を直接操作してエアコンが動くか確認してみてください。
もし、不明点があれば取扱説明書を見てみるのも良いでしょう。
取扱説明書はインターネットで簡単に検索できます。
もし本体のボタンでなら動くという場合は、リモコンの故障が考えられます。
2.2:室外機のまわりに物を置いていないか
電源を入れても冷風が出ない、もしくは停止してしまった場合は、室外機の周りに物を置いていないか確認をしてみましょう。
冷房を使用している際、室外機から熱風が排出されます。室外機の周りを物で遮られると熱が排出されず、熱がこもり、効率が低下する可能性があります。それが原因で、エアコンから冷風が出なくなってしまいます。
また、室外機には直射日光を避ける対策が必要です。室外機が高温になってしまうと、排熱ができずにエアコンに負荷がかかります。対策としてはすだれや遮光シートで日陰を作ると良いでしょう。
2.3:設定温度が適切になっているか
設定温度が適切ではない可能性があります。まずは、「冷房」「暖房」「ドライ」など、誤ったボタンを押していないかもう一度確認してみましょう。
また、室温と温度設定が合っていない場合もエアコンの効きが悪くなります。
2.4:お部屋の広さとエアコンの能力
エアコンの適用畳数に対して部屋が広すぎると十分にエアコンが効きづらくなってしまいます。エアコンの適用畳数は『6畳〜8畳』のように示され、木造住宅では6畳、鉄筋住宅では8畳の広さに対応しています。冷房と暖房でも適用畳数は異なるため、部屋の広さにあったエアコンを選びましょう。
もし今のエアコンで適用畳数が小さい場合は、ドアや仕切りなどで部屋の空間を仕切ることで効率が上がる可能性があるので、まずは試してみましょう。
2.5:エアコンが壊れたときの連絡先は?
物件の設備が故障した際の連絡先は、入居時の書類に記載されています。どの書類のどの欄に記載されているかは、不動産会社によって違います。国土交通省が出しているひな形を使使用している会社の場合、「賃貸住宅標準契約書」という書類の中に、「賃借人の入居中の設備などの維持管理等に関する連絡先となる者について」と書かれた部分があるので、物件の設備が故障したらそこに連絡しましょう。
他にも、契約書ではなく「賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書」という書類に書かれていたり、「重要事項説明書」という書類に書かれている場合もあります。
わからないときは管理会社に電話をして指示を仰ぎましょう。
フレンドホームで賃貸アパートを契約したときには「重要事項説明事項」の「管理の委託先」に設備が壊れてしまったときの連絡先の記載があります。
3:実際にエアコンが壊れてしまったら
3.1:自己判断で修理依頼は避ける
賃貸アパートのエアコンは使用年数によって故障してしまうこともあります。
そのような場合には、冒頭でもお伝えした通り、賃貸住宅に備え付けられている設備や備品は貸主のものとなるため、賃貸アパートのエアコンが故障した際の修理費用は基本的に貸主負担となります。
ただし、壊れたからといって借主が勝手に修理業者に連絡して修理依頼をしてしまうと借主が修理代金を負担することになってしまう可能性があります。
3.2:エアコンを修理するまでの流れ
■実際の流れ
修理を依頼してから修理が完了するまでの期間はそのときの状況によって異なります。
繁忙期には素早く修理を始められないこともあるため、あらかじめエアコンの状態を確認し、故障している場合は早期に対処することが大切です。
一般的な賃貸アパートでの修理完了までの流れは、以下のようになっています。
4:エアコンを長く使うためにできることは?
エアコンを長持ちさせるためには、いくつかのポイントに気を付けることが重要です。
定期的なメンテナンスでエアコンの寿命を伸ばすことができます。
4.1:慣らし運転を行う
エアコンをメインで使い始める時期が来る前に本当に動くかどうかをチェックしましょう。夏本番に冷房を軽く使い、エアコンの状態を確認することが大切です。オフシーズンから急にフル稼働させると故障のリスクが高まります。
そして、もし厳しい夏に故障が判明すると熱中症になってしまうといったことが考えられます。
4.2:定期的なメンテナンスを行う
エアコンのメンテナンスをすることも長く使い続けるために必要です。
エアコンのフィルターを定期的に掃除し、室外機周りも確認することでエアコンの効果を保つことができます。エアコンは2週間に1回、室外機は1年に1から2回の頻度で行うとよいでしょう。
4.3:負担のかかる使い方をしない
極端に高いまたは低い温度設定はエアコン本体に負荷がかかります。外気温との差を大きくしないように設定温度は夏なら25〜28度、冬なら20〜24度に保つとエアコンへの負担を減らせます。
5:エアコン設置時の原状回復義務
賃貸アパートにエアコンを設置するには、壁や室外機を設置する場所にビス穴を開ける必要があります。
また、エアコンの取り付けを想定していないお部屋の場合は、室内機と室外機を繋ぐために穴を開ける必要があります。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、エアコンの設置は一般的な生活に必要なため通常消耗扱いとなるので、原則的には借主に原状回復義務はないとされています。
しかし、壁に穴を開けるような場合は、無断で工事をするとトラブルになる可能性があるので、事前に大家さんや管理会社に相談しましょう。
6:まとめ
いかがだったでしょうか?
暑さや寒さが厳しい近年において、エアコンの利用は快適に生活を送る上で非常に重要です。
賃貸アパートに設置されているエアコンについては、あらかじめ設備なのか残置物なのか、万が一故障してしまった時の修理費の負担などを大家さんとトラブルになることもあるので、契約前にしっかり確認しておきましょう。
また、故障を防ぐためにもエアコンの状態を定期的にチェックし、問題が発生したときには早めに対処することが大切です。