知らないと損!賃貸アパートで火災保険加入の必要性
夏になるとゲリラ豪雨や台風など、自然が猛威を振るう季節ですよね。
幸手市では比較的雨雲が通るルートにあたり、夏場は時折、雷を伴った激しい雨が降ることがあります。エリアによっては浸水の可能性も…。
万が一に備えて加入しておきたいのが保険です。火災保険という名前から火災のための保険のイメージがありますが、実は様々な自然災害での損害も補償対象になる可能性も!
賃貸アパートを契約する場合には、火災保険への加入が必須になっていることがほとんどです。以前、『アパート探しの基礎知識』のコラムの中で初期費用として火災保険についてお伝えしましたが、今回は火災保険への加入の必要性と補償範囲についてもう少し詳しくお伝えしていきたいと思います。
目次
1:賃貸アパートにおける火災保険は加入は必須?
火災保険への加入を義務付ける法律はありませんが、入居条件として加入が必須になっていることがほとんどです。フレンドホームでも、賃貸借契約を結ぶ際には火災保険の加入は必須条件となっています。
火災保険への加入は任意とされているにもかかわらず、火災保険の加入が必須条件になる理由は、 賃貸アパートを契約することで大家さんに対して賠償責任が生じるからです。
■入居者には原状回復義務ある
以前、DIYについてのコラムでも原状回復義務についてお伝えしましたが、賃貸アパートの入居者には経年劣化を除き、原状回復の義務を負います。
入居者による故意または過失で火災や水漏れなどの被害を起こしてしまった場合は、修繕にかかる費用は入居者が負担することになります。
大家さんから損害賠償請求をされる立場になり、火災保険に加入していなければ、自己負担で補償しなければなりません。
■隣室・隣家からのもらい火は損害賠償請求ができない場合がある
例えば、隣の部屋からもらい火を受けて家財が損害を受けた場合、自己負担となるケースがあります。「なんで!?火元に損害賠償を請求できないの?」と思われる人も多いかと思います。
日本には『失火責任法』という法律があります。
昔は長屋が多かったことから、火災が起きると、多くの建物が類焼しまい、火元に賠償責任があるということにしてしまうと、火元に過大な請求が生じてしまいます。
そのため、『火災を起こして他人に損害を与えたとしても、火災を起こした本人に重大な過失がない限りは、損害賠償責任を負わない』と法律で規定されています。
「寝たばこ」や「鍋をかけた火の消し忘れ」など重大な過失が火元にない場合は、修繕費は自己負担しなければなりません。自分は気を付けていても、他人からのもらい火で火災に巻き込まれる可能性もゼロではありません。万が一に備えて火災保険への加入をおすすめします。
■漏水の被害者または加害者になってしまった場合
例えば、賃貸アパートの上階からの水漏れが原因で、家財が故障してしまった場合には上階の住人に損害賠償を請求できますが、もし、相手に支払い能力がなかった場合には、火災保険の補償範囲となり、保険で補償してもらえます。
逆に、自分の過失による水漏れで自室だけでなく階下の部屋にまで被害が及んで損害を与えてしまった場合には、階下の住人に対して賠償責任を負わなければなりません。火災保険の個人賠償責任保険の特約を付加しておくと火災保険で補償できます。
2:賃貸アパートにおける火災保険の種類と補償
火災保険は火災のためだけの保険のように見えますが、実は様々な自然災害・損害にも対応しています。
賃貸物件用の火災保険は、『家財保険』・『借家人賠償責任保険』・『個人賠償責任保険』がセットになっているものが一般的です。
フレンドホームで賃貸借契約を結ぶ際にも、「借家人賠償責任保険」と「個人賠償責任保険」の特約付きの保険に加入して頂いています。
では、補償内容を詳しくみていきましょう。
■家財保険
冷蔵庫や洗濯機、家具家電などの入居者の家財一式に対する保険です。
火災のほかにも、水災、落雷、水濡れなどで、自身の家財に損害が生じた際の補償をしてくれます。
例えば・・・
・落雷
建物に雷が落ちて家電製品が故障してしまった
・水濡れ
上階から水がもれてきて、家電製品が故障してしまった
・水災
台風による洪水で部屋が浸水し、部屋の中のものが破損してしまった
・盗難
泥棒が入り、家電製品や現金が盗まれてしまった
・修理費用
泥棒が入った際に、窓ガラスを割られてしまった
■借家人賠償責任保険(特約)
大家さんに対する補償です。
家財保険の特約として加入が可能です。単体では加入できません。
火災や漏水などで生じた損害に対して、借りている部屋を原状回復するための費用を補償してくれます。
補償対象は、借りている部屋に限られるので、他の部屋まで被害が及んだ場合、この補償だけではカバーできません。
■個人賠償責任保険(特約)
日常生活のトラブルへの補償です。
故意・過失によって、相手がいる日常トラブルが起こった際の、治療費や慰謝料、破損物の修理費や損害賠償などが補償対象です。
自動車保険など他の保険の特約として加入していることもあるため、重複して加入していないか確認しましょう。
3:よくある疑問
火災保険の契約を検討する際、または加入中によくある疑問点と、その解決法について解説していきます。
Q.火災保険は自分で選んで加入することはできますか
A.自分で選んで加入することは可能です。
賃貸借契約とセットで案内されることが多い火災保険ですが、火災保険の契約自体は任意なため、自分で選んで火災保険に入ることも可能です。
「保険料をできるだけ安く抑えたい」「補償内容を充実させておきたい」など、希望がある場合は、自分で保険を選んで加入しましょう。
ただし、賃貸借契約期間中に保険が切れている期間がないように注意が必要です。
Q.火災保険の途中解約はできますか
A.途中で解約することは可能です。
火災保険はいつでも解約することができます。
賃貸アパートの場合、火災保険はほとんどが2年契約となり、2年分の保険料を一括で支払うことになるため、火災保険は掛け捨てだと思っている人が多いようですが、退去する際にきちんと解約手続きを済ませれば、残りの契約期間分として支払っている保険料が月割りで返ってきます。
Q.地震は補償対象ですか
A.地震保険の特約がついていない場合は、補償の範囲外となります。
火災保険では「地震・噴火・津波が原因で、火災・損壊・流出などが起こり発生した損害」は補償の範囲外となっています。
地震保険特約をつけた場合、建物と家財への損害が基本的な補償範囲となります。
また、地震保険単体では契約できません。
4:まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は賃貸アパートにおける火災保険への加入の必要性と補償範囲についてお伝えしました。
火災保険への加入は強制ではありませんが、入居条件として加入が必須になっていることがほとんどです。
最近では、予測できないような自然災害が起こることがありますが、火災保険に加入することで大切な家財を守ることができます。また、万が一、火災や漏水などを起こしてしまい、大家さんや隣家へ被害を与えてしまった場合に損害賠償金など補償されます。
賃貸アパートで安心して暮らしていくためにも、ぜひご自身に合った火災保険への加入をおすすめします。