共益費と管理費の違いって何?使い道や相場は?
『共益費?管理費?これって何?どう違うの?』なんて思ったことありませんか?
店頭にお越しになるお客様から、「共益費と管理費の違いは何?必ず必要なの?」という疑問のお声も頂戴することがある費用。
本日は『共益費と管理費の違い』と『共益費と管理費の使い道や相場』について触れてみたいと思います。
目次
1:共益費や管理費とは?
インターネットでアパートを探す際、検索サイトの条件面を入力する箇所に、こんな記述ありませんか?
賃料◯◯円〜◯◯円(共益費・管理費込☑)
これまで賃貸アパートで暮らした経験がある方を含め、一人暮らしを始める方は特に疑問に感じたことがあると思います。
共益費や管理費は、家賃とは別に毎月の支払いを伴う費用になりますが、なぜ支払わなくてはいけないのか?共益費と管理費の違いを交えて、定義についても次項で詳しくみていきましょう。
1.1:共益費と管理費の違い
では、共益費と管理費はどう違うのでしょうか?
不動産校正取引協議会連合会によると、以下の通りです。
■管理費とは
マンションの事務を処理し、設備その他共用部分の維持及び管理をするために必要とされる費用をいい、共用部分の公租公課等を含み、修繕積立金は含まない。
■共益費とは
借家人が共同して使用又は利用する設備又は施設の運営及び維持に関する費用をいう。
このように2つの費用の定義には多少の差があるように見えますが、実際には同義で使われていることが多くあります。
この2つの費用については、東北や関東エリアで『管理費』、信州や東海より西のエリアで『共益費』として表記されることが多い傾向です。
そして基本的には、共益費や管理費は非課税の対象になっています。
1.2:共益費・管理費の使い道
家賃は、いわばお部屋を使用する使用料。
では共益費や管理費は、家賃同様になぜ毎月支払いを必要とするのか?
前述のとおり、設備や共用部分の維持や運営のために要するわけですが、具体的な使い道についてはっきりと分かりづらいですよね。
使い道について、法律で明確に定められていませんが、一般的な使い道としては以下の通りです。
■エントランスや共用廊下、階段、ゴミ捨て場の清掃
■エントランスや共用廊下、廊下、ゴミ捨て場の電気代
■浄化槽やエレベーター、オートロック設備の保守点検
このように、いわゆるアパートに入居している方々が毎日通る共用廊下や階段、エントランスなどの共用部分の維持費の他に、ゴミ出し場の清掃や修繕費用と、入居者が専有しているお部屋以外の箇所を対象に共益費・管理費を使います。
2:共益費・管理費の相場
物件ごとに家賃が異なるのと同様に、共益費や管理費の金額も物件ごとに異なります。
共益費や管理費の一般的な相場として、家賃の5%〜10%で金額が設定されていることが多い傾向です。
以下、共益費・管理費の相場の目安です。
■ 40,000円の場合2,000~4,000円
■ 50,000円の場合2,500~5,000円
■ 60,000円の場合3,000~6,000円
■ 70,000円の場合3,500~7,000円
■ 80,000円の場合4,000~8,000円
間取りが同じでも、築年数や備わっている設備の内容によって、共益費や管理費の金額には違いがでるとも言われているんです。
オートロックやエレベーター、防犯カメラにおいても、定期的なメンテナンスだけでなく、故障を含む不測の事態が起きた際の修理代には、コストを要しがち。
高機能な設備がたくさん備わった物件は相場より少し高いこともあると考えられます。
3:こんなケースも
同じ物件でも、「以前ネット検索した時と金額が違うような…」という経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
考えられる要因を2点ご紹介します。
3.1:専有面積
同じ物件でも、全てが同じ間取りではないアパートの場合は、共益費や管理費の金額に違いがあることも。
というのも、玄関とベランダを除く箇所を『専有面積』とし、その専有面積によって共有部分の管理割合が決まっていると言われています。
区分所有法でも共有部分に関する決まりが定められているため、この内容に沿った価格設定がされている可能性があるかもしれません。
3.2:入居時期
入学や就職、転職、転勤といったきっかけで訪れる転居。
入居の時期は皆さん同じではないですよね。
家賃の他に共益費や管理費の金額を下げて、空室を早く埋めたいという大家さんの意向によって金額が異なるケースも考えられます。
入居者の方に不公平感や不満感をもたらさない観点からも、幸手市周辺の物件を取り扱っているフレンドホームでは『専有面積や入居時期によって共益費や管理費の金額が異なる』といったことは行っておりません。
4:費用を抑えたいなら
家賃とおなじく毎月の支払いとなる共益費や管理費。
できれば安く抑えたいと思いますよね。
前述のとおり、同じエリアでも、築年数や設備内容によって共益費や管理費の金額には差がでることもあります。
というのも、例を挙げてみると、高層階マンションなど規模が大きなマンションは部屋数が多い分、エレベーターの数も必要になったり、設置する防犯カメラも台数を要したり。
そうなると、そのぶんだけ共益費や管理費がかさむことも多くあります。
同じ集合住宅でも、分類を賃貸アパートにすると、エレベーターやオートロック設備を備えていない物件の方が共益費や管理費の支出を抑えることが可能になりやすいとも言われているんです。
もし、「このエリアで、この共益費や管理費の金額は妥当なのか?」疑問に思ったときには、同じような条件で同じエリアで物件検索して、相場を把握しておくのもいいかもしれません。
4.1:共益費・管理費なしの物件がお得?
「手っ取り早く共益費や管理費がゼロの物件にしたらいいじゃん!」と考えるのは注意が必要になります。
これは、家賃の中に共益費や管理費があらかじめ含まれて価格設定されていることもあるためです。
では、なぜ家賃と共益費や管理費を分けて記載するのでしょうか?理由は2つ。
家賃と共益費・管理費を分けて記載すると、検索サイトで検索したときに家賃のみの金額がヒットし実際に払う家賃より安い物件として検索結果に表示されます。家賃が安く見えるので入居者が決まりやすいという大家さんにとってメリットがあります。
2つめの理由。以前こちらのコラムで「初期費用は、1ヶ月の家賃金額をもとに、敷金や礼金の他、仲介手数料などの金額が算出されます。」とお伝えしました。
そう!あらかじめ家賃に共益費や管理費が含まれていると、初期費用の金額もそのぶん上乗せされることが予想されますよね。
更新料についても同様です。更新料の相場は『家賃1ヶ月分』としている場合が多いです。
毎月支払う家賃が「家賃:40,000円+共益費・管理費:2,000円」の場合と「家賃:42,000円+共益費・管理費:0円」の場合だと更新料が変わってきます。
家賃と更新料・管理費が分かれていることは借主側にもメリットがあります。
賃貸アパートを探す時は、月々の家賃に加え、契約時の初期費用や更新料を払う前提で計算することをおすすめします。
5:まとめ
いかがでしたか?
本日は『共益費と管理費の違いって何?使い道や相場は?』をお伝えしました。
お部屋を探す際に目にするワードですが、「物件ごとに金額が違うのはなんでだろう?使い道は?相場はいくらなんだろう。」と疑問を持ったまま内見したり、入居したりという経験がある方もいらっしゃいますよね。月々の支払金額にも関わってくる共益費や管理費。
大家さんからお借りしているお部屋を大切に使用するのはもちろんのこと、普段何気なく使用している共有部分も、メンテナンスや清掃といった手入れなど「入居者が安全に、気持ちよく過ごせるように。」と配慮してくれている大家さんや清掃会社の方がいることを忘れずに大切に使っていきたいですね。