賃貸アパートのユニットバスとは?
ネットでアパートを検索していると目にするワードの1つ『ユニットバス』。
一言でユニットバスと言っても、いくつかの種類があるのをご存知ですか?
本日はユニットバスの種類、メリット・デメリットについてお伝えしたいと思います。
目次
1:ユニットバスとは?
『ユニットバス』について聞いてみると、「お風呂とトイレが一緒になっているタイプ。」と答える方が多いと思います。が、実はそうではないんです。
ユニットバスとは、『お風呂とトイレが同室』という意味ではなく、『床や壁、天井が一体となった浴室』。あらかじめ製造されたこれらのセットを、物件内の浴室とされる箇所に組み立てたもの。出来上がった小部屋を浴室に搬入・設置をイメージしていただければ良いかと思います。
2:ユニットバスの種類
ユニットバスには3つの種類があります。
3点ユニット、2点ユニット、1点ユニット。
前述のように、アパートを探しているとき、間取り図を見ながら、「あれ?ユニットバスなのにトイレは別なの?」と疑問に思った事がある方もいらっしゃいませんか?
(間取り図ではUBと表記される事が多い。)
以前にこちらのコラムにて、一人暮らしの間取りについてお伝えした際にも出てきた『ユニットバス』というワード。
ユニットバスの種類の紹介を交えつつ、3点ユニットから順に、造りの特徴やメリット・デメリットについてご紹介します。
2.1:3点ユニットとは?
3点ユニットとは、お風呂、洗面、トイレの3つが一緒になったバスルーム。恐らく多くの方が思い描く『ユニットバス』だと思います。
ホテルに宿泊した際に目にすることがあるこの造り。
1964年の東京オリンピック開催に向け、多くの宿泊施設が必要となった際に工期やコストをカットできるとして導入したのが3点ユニットの始まりと言われています。
2.2:3点ユニットのメリット・デメリット
【メリット】
■家賃が安い
工期やコストカットが可能なユニットバスはセパレートタイプ(お風呂とトイレが別)に比べて、家賃が安く設定されていることが多い傾向にあります。
■お部屋が広く使える
お風呂、洗面、トイレの3つが一つの空間に一体となった3点ユニットは、洗面台やトイレのスペースを別に設ける必要がないため、その分お部屋を広く使える造りになっています。
■漏水トラブルが少ない
一つの空間にお風呂、洗面、トイレが揃っているため、漏水トラブルが少ないと言われています。アパートという集合住宅に住むからには階下へ漏水してしまう等、他の入居者を巻き込んでしまいがちな漏水トラブルが避けやすいのは安心ですね。
■掃除しやすい
トイレスペースの雑巾がけ。毎日やっている!という方はそう多くないかもしれません。
お風呂や洗面を掃除するついでにシャワーで便器周りを水でサッと洗い流せると、面倒に感じるトイレ掃除も時短可能ですね。
【デメリット】
■動きづらさを感じる
お風呂や洗面、トイレといった一つずつ役割をもった設備が一箇所にまとまっているため、それぞれにおけるスペースが限られ、衣類の着脱や入浴においても少し動きづらさを感じる場合もあります。
■部屋に人を招きづらい?
友人や家族、恋人を家に招くとき、自分や自分以外の誰かがお風呂や洗面、トイレいずれかを使用しているときは、必然的にそれらを使用ができないということも。
■カビが繁殖しやすい
お風呂場には換気扇が備わっていますが、調湿性の低いプラスチック製が主流であるユニットバスは湿気や水気が完全に乾くには時間を要することから、他の造りに比べるとカビが繁殖しやすいとも言われています。
■収納がネック
お風呂と同じ空間にあるトイレ。トイレ周りで使用するトイレットペーパー等、いわゆる紙製品は湿気てしまったり、トイレットペーパーホルダーに常備しているトイレットペーパーまで濡れてしまったりということが起こることもあります。
3:2点ユニットとは?
2点ユニットはお風呂と洗面の2つが一つの空間に設けられた造り。3点ユニットとの大きな違いはトイレが別であるという点です。
不動産業界でいう『バス・トイレ別』とは、この2点ユニットを指しているものが多いと捉えて良いでしょう。
『バス・トイレ別』の造りでも全てがユニットバスを使用していることはありません。
3.1:2点ユニットのメリット・デメリット
【メリット】
■スペースにゆとりができる
3点ユニットと違い、トイレが別空間に設けられることから、浴槽内ではない洗い場が設けられます。そうすると、身体を洗ったあとにゆっくりと浴槽に浸かれるので、自宅内においてのリラックス方法が一つ増えますね。
■同時使用OK
客人を家に招いても、3点ユニットだと難しいお風呂や洗面、トイレが同時に使用しやすくなります。どちらかがお風呂に入っているときに洗面を使用したい、もしくはその逆のパターンの際には待ってもらうことが必要となりますが、トイレに比べると在宅中のお風呂の頻度はそれほど高いとは言い難いので、さほど難はないと言えますね。
■カビの抑制
3点ユニットのデメリットに挙げられるカビの繁殖。
トイレが別空間になる2点ユニットは浴室からの湿気の影響を受けにくいため、湿気によるトイレ周りのカビの繁殖は抑えられるでしょう。
■収納が確保しやすい
収納についても、トイレが別空間にある2点ユニットは買い置きのトイレットペーパーやその他の日用品もトイレに収納が可能となります。
【デメリット】
■お部屋が狭くなることも
3点ユニットと違い、トイレを別の空間に設けるということは、その分だけ使用面積を要するということ。
もし、3点ユニットと同じ専有面積の物件を検討する際には、トイレに要する使用面積分はお部屋が狭くなることを想定しておくといいですね。
■家賃が少し割高にも
トイレを別途設ける2点ユニットは、その分の手間と建築材費というコスト面から3点ユニットとより家賃が割高になる場合もあります、
4:1点ユニットとは?
3点ユニット、2点ユニットの順にご紹介しました。
3点ユニットはお風呂と洗面、トイレが一つの空間に設けられたもの。
2点ユニットはお風呂と洗面が一つの空間に設けられたもの。
ピンときた方もいらっしゃるでしょう。そう、1点ユニットとは浴室だけの空間。浴槽と洗い場のみで構成されています。
4.1:1点ユニットのメリット・デメリット
【メリット】
■空間にゆとり
1点ユニットの強みはなんといっても、ゆとり!
浴槽と洗い場だけの構成なので、ゆっくりと入浴が可能なスペースが確保できるだけでなく、洗面やトイレが別空間にあるため、その分の空間にゆとりが生まれますね。
■収納が確保しやすい
浴槽と洗い場だけの1点ユニットの場合、独立洗面台やトイレが別にあるため、お風呂場内に備え付けの収納棚があったり、浮かせる収納を施したりと自分好みに使用しやすい利点があります。また、独立洗面台やトイレにも、それぞれに使用するお掃除グッズや買い置きしているアイテムを使用用途や使用場所に応じて収納も可能!
■衛生面
浴槽と洗い場のみで構成された1点ユニットは、2点ユニットや3点ユニットに比べて、カビの発生を抑制したり、それに応じた手入れもしやすいと言えるでしょう。
水垢やカビの発生を抑えるために、入浴後に水滴をタオルで拭き取る動作もしやすい造りですよね。もしカビが発生した際の手入れ時も、専用の洗剤を吹きかけて時間を置いておく場合、別空間にある洗面台やトイレは使用制限がなく、掃除や手入れをしやすいと言えます。
■複数人と同時使用OK
ファミリーでお住まいの方をはじめ、家に客人を招いてお泊りになっても、各々のスペースが独立していると貸す方も借りる方も気兼ねなくて良いですね。
【デメリット】
■お部屋が狭くなる
2点ユニットと違って、洗面台が別に設けられると、さらにその分の空間を使用する必要があるため、3点ユニットや2点ユニットより居住スペースが狭くなる傾向があると言えます。
■家賃が割高
トイレを始め、洗面も独立洗面台を別の空間に設けるとその分のコストや建築の手間が増えるため、3点ユニットや2点ユニットのお部屋に比べると家賃が割高に設定されていることもあります。
5:まとめ
いかがでしたか?今回は知っているようで知らない賃貸アパートの『ユニットバス』についてお伝えしました。『ユニットバス』と聞くと、3点ユニットを思い浮かべるのは、時代背景はもちろんのこと、多くの方が利用した経験があるホテルで目にしていたことがきっかけでした。
3点ユニットが多く導入されたことをきっかけに、ユニットバス=お風呂とトイレが一緒になった造りという認識が広がったようです。
賃貸アパートに多く用いられるユニットバスは、人工的な素材でできているがゆえに湿気が残りやすい一面も。
また、平成15年に改定された建築基準法によって、賃貸物件には24時間換気システムを採用し、シックハウス対策することが義務付けられています。換気扇をフル稼働してカビの発生を防ぎながら、快適な毎日を送りたいものですね。